Voicyはゲーム化出来るのか?から生まれて新企画「ママイタチの夜」ノベルを公開

Voicy

Voicyはゲーム化出来るのか?

Voicyパーソナリティ高橋晋平さんのオフ会のテーマが「Voicyはゲーム化出来るのか?」
そのイベントで生まれたのが、リスナーがストーリーを選べる、かまいたちの夜風配信のアイデアです。

こ、これは!!と思い、初速のパパ丸山としては、やってみよう!と思い立ち、企画しました。
オフ会の模様はこちら

【Voicy】高橋晋平の「1日1アイデア」第1回オフ会|パティ
2024年10月5日 土曜日。 おもちゃクリエイターの高橋晋平さんの初のオフ会が開催されました。 晋平さんのVoicyチャンネルのプレミアムリスナーをトークイベントに無料招待するという太っ腹な企画です。 晋平さんのVoicyチャンネルのプレ...

ママいたちの夜「冬のペンションソナタ殺人事件」

「鋸山」

冬の冷たい風が頬を撫でる。私、30歳の女優・ママゆうこは、千葉県の南部に聳える鋸山の麓に立っていた。
次の映画の役作りのため、この地を訪れたのだ。

鋸山は、その特徴的な鋸状の山容から名付けられたという。私は、ロープウェイに揺られながら山頂へと向かった。眼下に広がる東京湾の絶景に、思わず息を呑む。

山頂に到着すると、まず向かったのは日本寺だ。巨大な石仏群と「地獄のぞき」と呼ばれる断崖絶壁からの眺望に、身の引き締まる思いがした。石段を一つ一つ上りながら、私は役柄について思いを巡らせた。

次に訪れたのは、鋸山の象徴とも言える「地球が丸く見える展望台」だ。そこからは、まるで宙に浮いているかのような錯覚を覚える。360度の大パノラマに、私は言葉を失った。

観光を終え、山を下りる頃には、辺りはすっかり暮れていた。これから宿泊する予定のペンション「ソナタ」は、鋸山の中腹に位置している。車で山道を上っていくと、雪が深々と積もり始めた。

ペンションに到着すると、そこにはすでに4人の宿泊客がいた。
端正な顔立ちの俳優・佐藤健、凛とした美しさを持つ女優・綾瀬はるか、温
和な笑顔が印象的なペンションのオーナージャムおじさん、そして元力士の千代の富士だ。

最初の晩、私たちは暖炉を囲んで和やかに語り合った。鋸山の魅力や、それぞれの仕事の話に花が咲く。しかし、この平和な時間が長くは続かないことを、誰も予想していなかった。

翌朝、悲劇は突然訪れた。ジャムおじさんが自室で遺体で発見されたのだ。

「事件」

翌朝、予定の時間になってもジャムおじさんが食堂に現れなかった。
心配になった私と綾瀬はるかは、2階の角部屋にあるジャムおじさんの部屋へ向かった。

「ジャムおじさん、大丈夫ですか?」私が声をかけるが返事はない。
綾瀬はるかと顔を見合わせ、ドアをノックしたが反応がない。

不安が募る中、私は佐藤健の部屋の前を通りかかった。
中からは規則正しいいびきが聞こえてくる。千代の富士の部屋も静まり返っていた。

ジャムおじさんの部屋の前に戻ると、ドアノブを回してみたが、鍵がかかっていて開かない。
「おかしいわ」と綾瀬はるかがつぶやく。

私たちの騒ぎを聞きつけたのか、千代の富士が部屋から出てきた。状況を説明すると、彼は無言で頷き、突然、全身の力を込めてドアに体当たりした。ドアは大きな音を立てて開いた。

部屋に入った瞬間、甘い香りが鼻をついた。そして、目に飛び込んできたのは、床に倒れているジャムおじさんの姿だった。

「救急車を!」綾瀬はるかの悲鳴が響く。しかし、すでにジャムおじさんの体は冷たくなっていた。後頭部から血が流れ、床に小さな血だまりができている。

私は冷静さを取り戻そうと深呼吸をした。探偵役を演じた経験を思い出しながら、部屋を観察する。致命傷となった後頭部の傷。しかし、凶器らしきものは見当たらない。

窓に目をやると、鍵はかかっていなかった。しかし、外は猛吹雪。2階からの脱出は不可能に思えた。

「密室殺人…?」私の頭の中で、その言葉が浮かんだ。

その時、佐藤健が慌てた様子で部屋に駆け込んできた。「何があったんだ?」彼の表情には驚きと…何か別の感情が混ざっているように見えた。

警察に通報し、私たちは事情聴取を待つことになった。しかし、吹雪の影響で警察の到着には時間がかかりそうだ。その間、犯人は私たちの中にいる…。私は、自らこの事件の謎を解き明かす決意を固めた。

「事情聴取」

察の到着を待つ間、私は各宿泊客から事情を聴くことにした。探偵役で培った技術を思い出しながら、一人ずつ話を聞いていく。

まず、佐藤健。るろうに剣心でお馴染みのアクション俳優だ。彼は悲しげな表情で語り始めた。

「俺、売れない頃にジャムおじさんのパン工場で働いてたんです。忙しくて、なかなかペンションに来られなくて…やっと来られたのに、こんなことになるなんて」

彼の言葉に悲しさを感じる一方で、彼の手から漂う甘い香りが気になった。

次は綾瀬はるか。日本を代表する女優なのに、驚くほど気さくに接してくれる。

「大河ドラマの撮影所の目の前にジャムおじさんのパン工場があって、よく通ってたんです。でも撮影が終わった後、突然閉鎖になっちゃって…心配でした。今回はジャムおじさんに招待されて。オムライスを楽しみにしてたのに…」

彼女の悲しそうな表情を見ながら、私は心の中で突っ込んでいた。「ジャムおじさんなのにパンじゃなくてオムライス?」そして、彼女のほっぺからも、あの甘い香りが漂っていることに気づいた。

最後に千代の富士。日本を代表する横綱だった彼は、重々しい口調で語り始めた。

「ジャムおじさんは九重部屋の後援会長でな。俺が小さい頃から世話になってる。でも突然、後援会長を辞めるって言い出して…心配でここに来たんだ」

彼の言葉に深い悲しみを感じたが、同時に、彼のお腹からも甘い香りがすることに気づいた。

三人とも、ジャムおじさんとの深い関わりがあり、同時に何かしら心配事があったようだ。そして共通しているのは、あの甘い香り。部屋に充満していた香りと同じものだ。

私は眉をひそめる。この香りの正体は何なのか。そして、なぜ全員が同じ香りを漂わせているのか。

そこへ、階段を上がってくる足音が聞こえた。ようやく警察が到着したようだ。しかし、私の頭の中では、すでにピースが少しずつ組み合わさり始めていた。

この事件の真相は、きっとあの甘い香りの中に隠されている―。

「推理」

警察が到着するまでの間、私は頭の中で事件の状況を整理し始めた。

ジャムおじさんは仰向けで倒れていた。犯人ともみ合って地面に頭を打ったのだろうか?しかし、部屋に荒らされた形跡はない。不自然だ。

そして、あの甘い香り。部屋中に漂っていたあの香り。まるで何かが床にまかれていたかのようだ。もしかして、ジャムおじさんはそれで滑ったのではないか?

そう考えると、犯行の流れが見えてくる。犯人は遺体となった後、その「何か」をふき取り、窓から部屋に戻ったのではないか。冬の鋸山、2階の窓からの脱出は普通なら考えられない。しかし…アクション俳優なら可能かもしれない。

佐藤健。彼なら窓からの脱出も可能だろう。しかし、決定的な証拠がない。

考えがまとまらず、私はキッチンへ向かった。そこで綾瀬はるかが優しく微笑みかけ、千葉県名物の「さざえ最中」を差し出してくれた。

「少し甘いものでも食べて、リラックスしましょう」

さざえの形をした最中の中には、たっぷりのあんこが詰まっている。一口頬張ると、甘さが口いっぱいに広がった。

その瞬間、私の頭に電撃が走った。

「これだ!」

あんこ。これが凶器だったのだ。甘い香りの正体。床に撒かれていたもの。そして、全員から漂っていた香り。全てが繋がった。

しかし、なぜあんこが?そして、本当に佐藤健が犯人なのか?

私は急いで部屋に戻った。そこには警察が到着し、現場検証が始まろうとしていた。

「待ってください!」私は叫んだ。「重要な証拠があります」

全員の視線が私に集まる。私は深呼吸をし、これまでの推理を説明し始めた。

「犯行に使われたのは、あんこです。床に撒かれ、ジャムおじさんを滑らせた。そして…」

私の言葉が、真相へと導く。しかし、真犯人は本当に佐藤健なのか。それとも…。

「船越英一郎さんのように追い詰める」

結末はVoicyで

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